Scene29

 とりあえずストックあまりないけどAL第一話。CDLのあとがきがなかったのは、CDLはあくまでツナギの話だからです。っていうか、ALもつなぎの話なためたぶんあとがきないです。何か書きたかったら勝手に書いちゃうかもしれません。
 そんなこんなで、AL。あんまり生体と関係ない話なんですが、それでも読んでもらえると嬉しいです。



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 季節は冬の真っ只中にいた。落ち葉は散り終え、家先を掃かなくてもよくなってきた代わりに、雪を孕んでいそうな分厚いどす黒い雲が眼下を流れていく。雲の上にあるが故に、その寒さは筆舌の度し難く、コートを着込んで首にマフラーまで巻いているというのに、今しがた彼女を舐めていった風に首をすくめて箒を握り締めた。
 シュバルツバルド共和国、首都、空中浮遊都市ジュノー。その一画に、未だ新築と言っていいほど綺麗な家が一軒在る。周りの家々が歴史を重んじたばかりに、何処かくすんで草臥れた色をしている中で、淡いベージュを基調とした柔らかい印象を与えるその家には、日々多くの人が足を向ける。
 彼女はそこの家の、使用人。いや、使用人、と言えば彼女自身どころか、ここに住まう家主、そして、近隣の住人全員が気を悪くするかもしれない。彼女は決して、使われているわけじゃないのだ。彼女は、この家の主人のために、別に強制力とも何もなくても毎日この家を訪ねては、この主人の代わりに掃除や洗濯、その他細々とした家の仕事を受け持っていた。

 と、いうより。目を離していると、この主人は無理をして全て自分の手でやろうとしてしまうのだ。

 以前、大火事によって全焼し、そこにまた新たな家を建てた、柔らかい空気の流れる一軒屋。
 そこの家に住む、一人の女性の名を、フィーリル=アヒレスと言った。

 もう掃除は必要はないか。家に帰って、フィーリルのために温かいスープでも作ろう。壮年の域に達するぐらいの彼女は、そう思って箒を仕舞いに裏手へ回ろうとしてふと足を止めた。そのまま、ゆっくりと背後を振り返る。
 町の通りの、更に向こう。こちらの家に誰かが近づいてきていた。
 二人の姿はローブに覆われてよく見えない。ペコペコに跨ったまま特に急ぐ気配もなく、そして、迷うことなく一直線にこちらへと向かってきている。来客、だろうか。

 彼女は、目を凝らしたまま首をかしげた。今日は来客の予定もなかった。予定もない来客といえば、せいぜい、以前フィーリルに剣術を習っていた子どもたちがフィーリルの様子を見に遊びにきたぐらいか、近隣の住民がお鍋片手におすそ分けに来るぐらいで、わざわざペコペコに乗ってエルメスプレートを登ってくるようなことはありえない。目を凝らして様子を伺っていた彼女は、思わず箒を取り落としそうになった。
 二人が騎乗している、そのペコペコは。

「……ルーンミッドガッツ王国?」

 ペコペコの前掛けにつけられた、ルーンミッドガッツ王国の正国旗。その正国旗の下に交差された、二本の剣。
 隣国にあたるこのシュバルツバルド共和国にまでその名を知らしめる、ルーンミッドガッツ王国プロンテラ騎士団の団章だった。しかも、普段の騎士が前掛けに使う略式団章ではなく、栄えある獅子の刺繍が施されている。数十年ほど前に見ただけだから細部までよく覚えていないが、それでも、僅かに引っかかるほどのインパクトは記憶に刻まれている。
 確か、あの団章は、国王から直々に授け受ける、正式団章。

「騎乗から失礼。ご婦人、少しよろしいか」
「何でしょう」

 相手も、じっと自分たちを見ていると気づいたのだろう。真っ直ぐにこちらにペコペコを向かわせ、綺麗に二列横隊の体勢で声をかけてきた。
 遠目から見ていたから気づかなかったが、このローブの二人組は、騎士団の―――それも正式団章を授かっている癖にはどうにも小柄だった。そして今聞こえた、硬質だか少し甲高いその声は、どうしてもまだ若い女性にしか聞こえない。
 ペコペコの手綱を握る彼女の銀篭手は、そこらの騎士がおいそれと持てるような安物ではなく。素人目に見ても、細部にちりばめられた装飾や宝石はかなり値が張るものだと見受けられる。目線の先にあった手から、顔を上げて相手の顔を覗き見る。

「ルーンミッドガッツ王国プロンテラ騎士団第七部隊師団、徒歩部隊元副隊長フィーリル=アヒレス殿の家はここであっているだろうか」
「……あの、貴女は?」

 彼女の声に、緊張が混じる。今このローブの女性は、ジュノーに住んでいる人は誰も知らないはずのフィーリルの以前の素性をこれ以上ないほど正確に言い当てた。フィーリルのプロンテラ騎士団脱退前については、フィーリルが生まれてからずっと交友のある彼女でさえも聞いたことがない。フィーリルがプロンテラから戻ってきた際に数度聞いたことがあるものの、苦笑して紛らわされてしまった。そんな、自分に打ち明けられないほどの脱退前の身分。
 そして、いきなり訪れた、正団章をつけた二人組。フィーリルの経歴を知る者。

 彼女の声が固くなるのも、仕方ない。妙な緊張を感じ取ったのか、声をかけたローブの女は首をかしげた。

「ああ、失礼。警戒されておられるのか」
「ひ、姫様ー。だからあたし、さっきから言ってたじゃないですか。そんな言葉使いだったら怖がってしまうってー」

 ローブの女の横に控えていた人物の声も、また年若い女のものだった。ぱちくりと皺が寄った彼女の目が瞬く。聞こえてくる声はどちらも二十歳前の瑞々しい声。そんな年頃の女性が、正団章をつけたペコペコに騎乗し、この家を訪れている。
 そして、たった今、何とも唐突に聞こえた単語。姫様。言われて眼前のペコペコに乗った女性を見やる。凛と伸ばした背筋、厳かな物言い、ローブの奥から覗かせる菫色の芯の篭った瞳。騎士団所属という身分をさておいても、その所作といい、所持品といい。高貴な出自とは、思っていたものの。
 一体何事だ。あの子に、今度は一体何を運んできた。
 箒を握り締めたままの彼女の言葉を待たずして、最初に声を発したローブの女は、諌めるような言葉を告げた人の声を綺麗に無視して、頭を覆っていたローブを剥いだ。
 長い長い青髪が、はらりと宙を舞った。その美しさに使用人は一瞬見惚れ、そして、

「ルーンミッドガッツ王国、第三位王位継承者。並びにルーンミッドガッツ王国プロンテラ騎士団副騎士団長、セニア=トリスタン。フィーリル=アヒレス殿に頼みがあって、馳せ参りました」

 握っていた箒が、ころんと転がる。
 三年前から止まっていたこの家の時間が、今、ゆっくりと再び動き始める。





 通されたフィーリルの自室で、二人の来客の前に珈琲が配られる。湯気が立つカップを両手で抱え込みながら、セニアはぽつりと声を漏らした。

「……なんと、目が」
「はい、もう三年も前のことになります」

 ぱたん、と扉が閉められる。気を利かせて、部屋を辞したのだ。
 長い銀髪が特徴的だった彼女の髪は肩口で切りそろえられ、明るい光をたたえていた双眸は今や無機質な包帯に包まれて二度と見ることは出来ない。フィーリル=アヒレスが騎士団を脱退したのは五年前。当時はまだ王族とはいえ、騎士団の中で専任の指南役に剣の稽古を見てもらっていたセニアにとっては、彼女の瞳が光を失う以前の顔を見たことがない。
 自身、他人が見れば目が覚めるほどの美貌を持っているにも関わらず、彼女は包帯に覆われたフィーリルの顔を見て思う。
 きっと、綺麗な人だったのだろうな、と。

「すみません、セニア様直々に、こんな外れ者のところに来てくださったというのに……」
「いえいえ、フィーリルさんといえば、未だにプロンテラ騎士団の中に名前が通っちゃってる人じゃないですか。ほら、七年前のゲフェン郊外を巡る防衛線」
「もう、昔のことですから――――そちらの声は、ひょっとして」
「あ、はい。憶えていてくれてたんですか? 嬉しいなぁ」

 浮雲。唇を小さく動かして、フィーリルは彼女のほうを向いた。

「……パティリア=フレイアース。伝え聞いたときは驚きましたよ。まだ私が騎士団にいた頃は、第五兵団の中で鍛えられていたのに……歳月というのは、恐ろしいですね」
「えへへ、照れるなぁ。曾々お爺ちゃんからずっと世襲してきましたけど……でも、嬉しいです。フィーリルさんにそんなこと言ってもらえて。当時憧れてたんですよ、あたし。それに」
「パティ、いい加減にしないか。フィーリル殿が困っている」
「と、あ。ごめんなさい、姫様」

 数年来の憧れの人物に逢えた興奮もあったのだろう。身を乗り出してフィーリルの手を掴んできらきらと瞳を輝かせるパティリアの頭をこつんとセニアが小突く。ばつが悪そうに、パティリアは髪を揺らして椅子へと座りなおした。
 その光景を聞きながら、フィーリルは小さく笑った。姫と、その従者。それなのに、彼女たち二人の間に流れる空気は、そんなことを微塵も感じさせないぐらいに穏やかで、朗らかで。仲のいい親友―――いや、言葉を重ねるならば、それはまるで姉妹のようで。
 いつかの、在りし日の自分たちを思い出してしまうぐらい、切なくて。もし叶うならば、その光景を、瞳の中に、記憶の中に刻み込みたかった。

「フィーリル殿?」
「……はい、何でしょう?」

 呼ばれた声に、はっと意識が戻る。口元の笑みを引き締め、肩にかけたカーディガンを微かな力で握った。

「――――ああ。そういえば、用件をまだ聞いていませんでした」
「……そうであったな。内容を告げるのを、思わずためらってしまうが」
「お役に、立てそうにもありませんものね」
「フィーリルさんと同じ戦場に立てると思って、あたし、楽しみにしていましたのに……」
「それでも、ここまで来て手ぶらで帰る、というわけにも立場的に行かないものでな――――フィーリル殿、少しお時間、いいか」
「はい、私は構いません」
「パティ、内容を」
「はーい。えっとですね」

 マグカップをベッド脇のテーブルに置き、肩にかけてあった鞄から封をしたスクロールを取り出したところで、パティリアは手を止めた。スクロールとフィーリルの顔を見比べて、渡そうとしたそれを自らで封を解いた。赤い文字で題字が飾られ、国王の捺印が押された列記とした公的書類。本来ならこの紙を手渡せば、それは国王の勅命となり一般の人間なら断ることすらできなくなる。
 しかし、手渡したところで、彼女はこれが読めない。そして何より、三年前に剣すら握れなくなり、盲目となった彼女を―――どうして、戦場に駆り出す事が出来ようか。

「パティさん、ためらわないでいいですから」
「う。……うー、はい、わかりました。では」

 セニアのほうを目配せするも、彼女は目を伏せたままこちらを見てくれない。酷な役目、押し付けるなぁ。パティリアは少しだけ泣きそうになりながら、紙面を読み上げた。

「――――ルーンミッドガッツ王国騎士団第七部隊師団、徒歩部隊元副隊長フィーリル=アヒレス殿。ルーンミッドガッツ王国騎士団緊急規約第五条に基づき、貴女を第一部隊師団へ、徴集いたします」

 ぴくんと、肩が震えた。ある程度予想はついていたとはいえ、口の中にたまっていた唾を空気と一緒に、無理やり飲み込んだ。
 掴んでいたカーディガンの裾を、フィーリルは強く握る。それでも、カーディガンは僅かに皺が寄っただけで、生地が捻じれることすらしない。
 今の自分には、剣を振るうことは愚か、自分の不甲斐なさを憤ることさえできない。そのことが歯痒くて悔しくて、フィーリルは伏せていた顔を上げる。

 暗闇の中、眼前の二人を見据える。
 俯いてはいけない。彼女の本来の性質である気丈さが、彼女の背筋をぴんと張らせた。

「……強いな、貴女は」
「王族が兵の強さを認めては、いけませんよ」

 静かな言葉に、セニアは微笑んで返した。この笑みが届かないとしても、セニアは彼女の強さをただ、褒め称えたかった。
 フィーリルとセニアの間に視線を彷徨わせていたパティリアは、一つ嘆息して、赤い紐を結いなおし、紙面をまたスクロールへ戻す。

「詳しい説明をさせてもらいますね。王国特命の、しかも緊急規約が発せられるなんてここ数十年じゃ初めてのことですから、何かわかんないことあったら言っちゃってください」
「……はい」

 ルーンミッドガッツ王国プロンテラ騎士団は、国名、そして首都の名を冠すだけあって、ルーンミッドガッズ王国と関わりが深い。故に、騎士団には国防という任務がついて回り、騎士団に配属されたものはまず真っ先に防人となって各地の防衛拠点に配置される。防衛拠点としては、ルーンミッドガッツの魔力の中枢部となっているゲフェン郊外や、シュバルツバルト共和国との国境となるアルデバランなど多岐に渡るが、シュバルツバルト共和国、ルーンミッドガッツ王国、アルナベルツ教国の三ヶ国が比較的友好な関係を築いている今、専ら対モンスター用の防衛拠点となっている。

 そして、過去に発生した緊急規約は全て、その防衛拠点における国の存続に関わるほどの大きな戦だけだった。
 戦果によってフィーリルが退役するきっかけとなった第六十八度ゲフェン西方防衛戦ですら、緊急規約は発せられなかった。その戦では五百人以上の負傷者を出し、今なお、西のゲフェン郊外は焼け野原となっている。街もいくつか、巻き添えとなった。
 あの戦は今でも双眸の奥にイメージとして焼きついている。その戦でも出なかった、緊急規約。遠く離れたこんなはずれ者までかき集めないと行けないほどの戦いが、始まると言うのか。

「まず初めに言っておきますが、此度の任務は、防衛任務ではありません」

 フィーリルの思考に釘を刺すように、パティリアは言葉を区切った。

「――――生体工学研究所、という施設を。フィーリルさん。あなたは、知っていますよね?」
「…………」

 どうしてその単語がパティリアの口から出てきたのか、フィーリルにはついぞわからなかった。あの戦でさえだされなかった緊急規約、それが発せられたというのに、国防でもなく、出て来た単語が、いつか自分が足を運んだあの実験施設だなんて。
 訝しげによったフィーリルの眉根に、パティリアは困ったなという仕草で小さく咳払いをした。

「こほん。調書によると五年前、あなたは行かれたそうですね? 一応あそこは非公開の施設、しかも、他国の法人が所有するものなので何らかの法的処分があるかもしれませんが……今回は事が事なので、あたしたちからは何も言いません。居住区も、ここシュバルツバルト共和国に移されているようなので、何かあればそちらからくるでしょう。ええ、あたしは知りません。……で、いいんですよね?」
「は、はぁ……」
「私たちはそのことについて言及しにきたわけではない。問題は、そこから先でな」

 言葉を進めていく内に、自らの口調が弾劾しているようになっていったのに気づいたのだろうか。パティリアの語尾は面白いほど歪んでいって、最後にはセニアへと不時着した。呆気に取られているフィーリルに、セニアは苦笑めいた言葉でパティリアへと続きを促す。

「その生体工学研究所を、第一部隊師団、第三部隊師団、そして第五部隊師団で制圧を行います」
「……ちょ、ちょっと、それ、騎士団の主力部隊じゃないですか!?」
「ぇ、あ、急に動くと、お体に障ります!」

 今まで静かに話を聞いていたフィーリルも、出て来た部隊名に粟を食って身を起こした。慌ててパティリアがフィーリルの両肩を抑えて、ベッドの上に座りなおさせる。

「はい、主力も主力。しかも大盤振る舞いで王族が傭兵まで雇用してます。でも、その施設は、さっきも言いましたが他国の法人が所有していて、閉鎖済み。そんなところを制圧するも何も、内部がまったくわからなくて……それで、色々調べたところ、フィーリルさんが以前そこに行ったという情報があがったもので」
「……それで、私のところへ」
「はい。あ、えっと。さっきも言いましたけど、別にこっから軍法会議にかけるとかはありませんからね!」
「ええ。聞きましたよ」

 余程先ほどの自分の発言が気になるのか。念を押すパティリアに、くすりと小さく笑みを零す。

「説明ご苦労だった、パティ。そして――――本来なら、拒否権限はないのだが……あなたの様態が、様態だ。フィーリル殿、よければ私のほうから騎士団のほうに断りを入れることもできる。だから、断ってくれてもいい」

 腕組みをして話を静かに聴いていたセニアは、フィーリルを真っ直ぐ見据えて是非を問うた。
 その声音に嘘偽りの響きは感じられず、純粋にこちらを心配してくれているのが伝わってくる。
 王族は兵を称えるものではなく、騎士団副団長が退役した兵を訪ねて口ぞえなど、当然するものではない。それでも、目の前の女性は、今きっぱりと言い切った。
 セニア、と名乗った。あの忌み名を背負わされた姫と聞いて、末が気になってはいたけれど。

「栄光に砂をかけ、その場を離れた身ではありますが。その命、謹んで受けさせていただきます」

 何ができるわけでもない。
 剣を握れるわけでもない。

 それでも、目の前にいる何処まで高貴なお姫様のために、今一度、自分の使命を全うしたいと、思った。

「ほ、本当ですか!?」

 フィーリルの返事を受けて、セニアよりも先にパティリアが喜びの声をあげた。身を乗り出してフィーリルの両手を掴んで、ぶんぶんと振り回す。なすがままに上下する腕に、懐いてきた妹の面影を感じてフィーリルは目じりを下げる。その光景を、セニアは微笑んで組んでいた腕を解く。

「フィーリル殿には第一部隊、つまり、司令部に入ってもらう。当時のことを覚えていれば見取り図なども書いてほしかったが、贅沢は言わない。ただ、知っていることを私たちに連携してくれると、助かる」
「ふふ、ただ、命を下さればいいのに。いい為政者となられましたね。セニア姫」

 セニア、と言えば。
 五年前、あの廊下で剣を重ねた少女の名前も、確かその忌み名を背負っていた、ような。

「では、制圧目的を、私のほうから言わせてもらおう」

 記憶を辿る。
 そう言えば、あの時は特に意識していなかったが、あの少女の顔と、自分の記憶の中にある七年前のセニアの顔は、確か。

「暴徒が立てこもったわけではない。戦争が始まるわけでもない。ただ――――私の名前と、騎士団の誇りを、取り戻しにいく」

 まったく、同じだったような、気がした。
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by akira_ikuya | 2011-04-30 02:12 | 二次創作 | Comments(0)


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